#2  その12 電線音頭♪♪

 電解コンデンサをとっかえひっかえヒアリングテストを行っている間、合わせて試聴装置のチューニングも行いました。スピーカの配置や台座、スピーカケーブルの交換などはかなり前に行いましたが、アンプ(Luxman SQ-N100)を購入してからは、REX-Linkシリーズの開発研究から、わき道にそれてAC電源ケーブルなどに「はまって」しまいました。私たちはメーカの人間ですから、同じモデルの製品を1万台作っても同じ品質を維持して、どれも同じ音を出さなければなりません。したがって、何らかの理論的裏付がないと同じものを量産することも、できあがったものの品質や音質を保証することはできません。
 「オーディオに関する、特に「音のよさ」に関する議論は、映像のように同時に表示させて比較するというわけには行きませんので、「さっき聴いた音のほうがよかった」という脳内の記憶に頼らざるを得ません。したがって、時に「トンデモ話」や「いわしの頭も信心から…」というような類の説に遭遇することがあります。これからの内容は、理論的裏付やきちんとした説明がまだできない段階にありますが、「音が変化し、聴いている私たちには[よくなった」と感じられた」というレベルでお許しください。30年くらい前、「電線音頭」とい唄や「電線マン」というキャラクターが流行しました。Audio用の電源ケーブルなどにはまってしまうと、電線に踊らされているようで、あっという間に10万円や20万円くらい出て行ってしまいます。それくらいならCDを40枚から100枚くらい買えるではないか…本末転倒ではないかと時折後悔しています。

 いつも試聴に使用しているAC100Vのコンセントは、ビルの屋上の受電設備からコンセント4口ごとに専用ブレーカを介して直接配線されています。当然接地(大地アース)付の3Pで、オーディオマニアのマイトランスと同じような環境にあります。手始めに、早速「逸品館」に駆け込んでAIRBOWAETの電源ケーブルを購入し、パワーアンプのSQ-N100の電源ケーブルを交換してみました。今までの割とおとなしい音が、グッと力強く変わりのびのびと音がでてくるようになったのには驚きました。当然、そうなると「なぜ?」という疑問と、解明したくなる気持ちがむらむらと湧きあがってきますが、それは後回しにして先にREX-Linkシリーズを充実させなければなりません。大型家電量販店のAudio売場に行ってみると、電源ケーブルやプラグ、コンセントなどの部材がいっぱい販売されており、「こういうところでも売られているほど、ブームなのか」とぼんやり眺めていたら、熱心な店員さんが現れ、CSEやFURUTECHというブランドの電源ケーブルを薦められるままに購入してしまいました。25年以上も前に、データ通信用の多芯ケーブルをよく買ってお世話になった秋葉原の総武線のガード下にある小柳出電気の電源ケーブルも陳列されていたのには「時代の変遷?」を感じました。同じ頃、私たちの製品(PC用のGPIBインターフェイス)にバンドルするためにGPIBケーブルをお願いしていたモガミ電線という会社も頑張っておられるようで、この間、久しぶりに小柳出電気を訪れ、REX-Linkの実験用に無酸素銅の機器内配線用電線を購入しました。

 SQ-N100用としてはAETブランドの電源ケーブルが最も私たちには「いい音がする」ように感じられました。もっと「音の変化」に驚いたのはフライングモール製のアンプモジュールです。SQ-N100を購入してからはほとんど使用していなかったのですが、電源ケーブルをAET製に変更すると音が力強くかつ明瞭に出てくるようになり、Volumeコントロールの位置も以前と30度くらいの差があるくらい音がイキイキと出てくるようになりました。以前はVolumeを上げても、どこかパンチがなく頼りなかったのですが、全く変わりました。
トランス出力タイプのアナログアンプに比べて、スッチング電源を使用したD級デジタルアンプの方が、よりAC電源ケーブルの影響が大きいようです。

 …とこのように電源ケーブルに「はまって」ゆくと、今度はその成果をREX-Linkシリーズに反映させたくなってきます。次回からはREX-Link2EXの電源の実験についてお話することにします。

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