REX-Link2EXは、まず外観が変わりました。
今までは電波がよく透過するようにABS樹脂の成型品でしたが、今度は半世紀くらい前から続いているオーディオアンプの基本的なデザインと構造を踏襲したオール金属製ケースとしました。
ワイヤレスLANや電子レンジだけでなく日本国内でもコードレスホンも2.4GHzの製品が使用されるようになり、ごく最近では大型TVのリモコンも2.4GHz(Zigbeeという規格です)に移行しつつあります。
このように家庭内でも2.4GHzの電波が"ばんばん"飛び交うような状況になりつつありますので、RF部(受信部)を強化するために受信機のアンテナを外部アンテナに変更しました。同時に、アンテナ以外の部分から余計な電磁波やノイズが飛び込んでこないよう金属製のケースとし、がっちりシールド処理を行うことにしました。アンテナを大きくして指向性をなくし、感度を上げるということは、他の2.4GHzの電波に対しても感度が上がってしまうということですので、そのままでは"やぶへび"となってしまいますが、そこは受信部のフィルタやソフトウェアで処理を行い、余計なものはカットしています。
前面の5mmの厚さのアルミパネルはデザイン上だけでなく、後部の外部アンテナを立てたときにひっくり返らないように、「おもし」としての役割も果たしています。デザイン面はオーディオアンプの近くに置いても違和感がない伝統的なデザインに落ち着きました。
でも、REX-Link1とREX-Link2の頭部が丸い円筒形のデザインも意外に真空管アンプと並べると違和感がありません。9月8日発売の「AUDIO BASIC」の当社の広告の写真をご覧ください。ボディの大きさがちょうどKT88のガラスチューブと同じくらいの大きさですので、こんどはガラスチューブを使用した真空管アンプ風の受信機、あるいは林立する真空管の間に受信機がまぎれ込んだ真空管パワーアンプでもつくると面白いかもしれません。
受信機のアンテナを外部に出すことにより、指向性が改善され受信機の置き方や送信機(パソコン)の配置に苦労することはなくなりました。しかし、商品として販売するためにはTELECの認定が必要ですので、送信機の出力はそのままにしています。受信性能が向上した分、いく分かは到達距離は伸びましたが、基本的には10mちょっとです。日本の住宅事情などを考えるとパソコン(リスニングポジション)からアンプまでの直線距離は、コンクリートホーン装備の広いリスニングルームでも10m以下ですので、これで充分と思います。
受信性能が向上し、安定したおかげで、送信機や受信機を手で覆ったり、前に立ったりしても通信が不安定になることが少なくなりました。また、RF(受信機)に起因するブチッという気になる音(実際にはRFよりもパソコン側のUSB関係が原因であることが多いのですが)も頻度が少なくなり、音質もいくらかクリアになったようです。
とても便利そうな機器ですが、同軸デジタル出力がないので、残念ながらピュアオーディオシステムに使用する気にはなれません。
また、受信する際にデータの欠落が起こらないのかどうか、といったところも気になります(CDプレーヤーでいうところのジッターの問題です)。
もしこの2点がクリアされ、かつ音質が良いのであれば、絶対に買います。