USBポート上で伝送されたIsochrounosデータパケットは送信機内のUSBコントローラのエンドポイント(メモリ)内に格納されます。送信機内部のマイクロコントローラはヘッダ情報などを参照して自分がサポートしているフォーマット(2ch.16bit/44.1kHzリニアPCM)であれば、Time-code順にI2S信号に変換しながらDMAでWirelessF部のコントローラに音楽データを引き渡します。Wireless部のコントローラは空きチャンネルを探し、受信機とのLink状態を確認した後、I2Sのデータを2.45GHzの電波に載せて1mS分ずつ送信します。受信機側では受信したデータに誤りを検出した場合や、受信に失敗した場合はエラー情報を送信機側に伝えます。最大2.9msまで再送などを繰り返し、それでも訂正できなかった場合、受信機のコントローラは音量ゼロの1mS分のデータを作成します。この音の途切れが続くと前後でブチッという音になります。また、送信機と受信機の間のリンクが3秒間以上途絶えた場合はオーディオ出力をOFFにし、再度リンクを設定しなおしますので、その期間も音が途切れることになります。ただし、Linkが切れた場合は送信機、受信機のLEDが緑色から赤色に変化します。
受信機側のコントローラは受信バッファメモリ内の音楽データを受信機側で独自に作成した44.1kHzのクロックを元にして、受信メモリから読みだしI2Sに変換してDACに供給します。同時にDIT回路でI2SからS/PDIFのフォーマットに変換して光コネクタから送り出します。DACやDIT、受信コントローラのサンプリングクロックやbit clock,128fsのマスタークロックはすべて受信機内部で10ppm以内の温度偏差特性を持つ水晶発振子で生成されています。その結果、CDから読み出され、HDD上に格納された音楽データは正確に受信機内部で44.1kHzでサンプリングされるため、CDの読出しとDACのサンプリングクロックの間のJitterのように音が揺らぐことはありません。しかし、パソコンによるHDDトランスポート、USBによるAudio転送という方式には、USBのIsochrounos転送の失敗やWireless通信の失敗により、音が途切れる(遅延している間、無音が挿入されるので、前後でブチッという音になります)という問題があります。このあたりはCDの音とびやFM放送を聴いている時に飛び込んでくる雑音と同じように考えて、少しずつ解決してゆけばよいと考えています。今後、パソコンの性能やOS,USB Audio Driverの改良、RF部の改良などにより解決できると思います。
Jitterに関してはコメントありがとうございます。わたしもデジタルオーディオでは非常に重要なファクタと考えています。D/A変換の際、クロックに含まれるJitter成分で低周波揺らぎ(発振周波数x偏差x分周比)による音質劣化が存在すると思います。
S/PDIFでも同軸と光でデジタル伝送で音質が変わるのは、伝送クロックのJitter量の差(光接続ではE/O変換→光ファイバ伝送路→O/E変換のパスのためJitter量も多い。)と思います。
やはり、受信機側の内部クロックの精度と質の向上に関してはご検討いただきたいと思います。