Tips #1 「PCでもっといい音を」スピーカの話 Part1

 2年ほど前にあるPCメーカが行った市場調査では、TVチューナ内蔵のPC(TV受信機能付PC)が一番売れるのは3月、4月の新入学シーズンということでした。新生活を始めるに当たって、必要なものを買い揃える際に、スペースの問題や予算面の制約から、TVとPCは兼用ということでしょうか。
また、最近は皆さんiPodなどの携帯オーディオ機器を持っていますので、音楽の管理のためにPCとinternetは必需品です。

そうした方でも自分の部屋ではイヤホンではなく、スピーカでリラックスして聴きたい、ということでiPod用スピーカを購入する人が多いようです。ところが、スピーカーにはトランジスタラジオ並みのつくりや音質のものから、ラジカセ級のもの、なかには5万円近くするものまであります。
いっそミニコンポを買うという手もありますが、その場合には、CDの音楽を直接聴こうとすると何枚ものCDの中から探していちいちSetする必要があります。しかも、iPodなどの携帯オーディオ用に音楽CDをPCに読み込ませた後では大変面倒に思われますし、internetで入手した曲は聞けません。

それなら、ちょっといいスピーカとアンプを買って、REX-Link2でPCと接続しませんか?
REX-Link2ならWirelessでPCとアンプの間を結びますので、室内のレイアウトは自由です。コタツやダイニングテーブルの上でPCを使いながら、離れたところにあるアンプを通して音楽を聴くことができます。

こういうコンセプトでお薦めの組合せとして、実際に当社内で製品の試聴に使用している環境をいくつかご紹介したいと思います。
ただし、本BlogはAudio評論ではありませんし、試聴感は個々人によって違いますので、以降は本Blogの筆者の個人的感想としてお読み下さい。
 
 ひとつめは「REX-Link2 + タイムドメイン mini(株式会社タイムドメイン、18,900円)」です。
「タイムドメイン mini」にはアンプが内蔵されていますので別途アンプを用意しなくともLink2の受信機にそのまま接続して音を出すことができます。
製品自体は5cmのフルレンジ1発を砲弾型のエンクロージャに入れたユニークな形をしたスピーカです。miniという名前のとおり、小さいので置き場所はとりませんが、箱型のスピーカのように本箱の本の間に埋もれさせたりするような置き方はできません。
また、トランス式のACアダプタが必要ですので、Link2の受信機のACアダプタと合わせてAC100Vのコンセントが2口、設置場所の近くに必要となります。

 肝心の音ですが、最初に聴いた瞬間「おや?」と思う不思議な音がします。普通のスピーカとは「音の出方」が違う…ということを感じます。
この不思議な音に魅せられて惚れ込む人と、「音が腐ってる?」とか言って全くうけつけない人がいるというように評価は人によって両極端に分かれます。
ビルゲイツや元ASCIIの西さんは前者(ちなみに二人が聴いたのはminiの音ではなく、同じタイムドメインの別のモデルのスピーカです)に属し、後者に属する人々の評価はinternetのあちこちで見ることができます。

 私自身は、この「不思議な音」は嫌いではありませんし、とても「綺麗な音」だと思います。個々の楽器の音が混じり合わずに綺麗に聞こえますし、長時間聴いていても疲れることはありません。
 もちろん、高い音や低い音は出ませんし、いわゆる「迫力」というのはありません(5cmのフルレンジユニットに期待するほうが間違っているかも知れませんが)。また、「音の出ている所の位置(オーディオ雑誌などで音像の定位というものです)」がはっきりしています。しかし、そのためか遠くで鳴っているように聞こえます。
 うまく表現できませんが、掃除の行き届いた座敷の中に座って、手入れの行き届いた日本庭園の奥の方から静かな音楽が聞こえてくるような感覚です。別の言い方をすれば、上品でこぎれいにまとめられた精巧な箱庭を眺めているような感じと表現したほうがよいでしょうか。
したがって、書斎や寝室のようなところで小さな音量で静かに音楽を聴くのにはとてもいいスピーカだと思います。

 ということになると、入学や入社で新しく生活を始める若い人々向けではなく、団塊の世代の人々が40年前の感動をしんみり思い出しながら静かに自室で音楽を聴くのにぴったり…ということになってしまい、本稿の最初の趣旨とは違ってしまいました。
どうも、スピーカというのは一筋縄ではゆかないようです。
 
 次回はもうちょっとパワフルな音を出す話をしたいと思います。

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