#2  その15 電源について(電池を使った実験-続編)

 20日間ほど現場を離れていましたので、更新が遅れ申し訳ありませんでした。その間(11月15日)にkobaさんよりコメントをいただきましたので、回答を兼ねてBlogを続けたいと思います。

 kobaさんの最初のご質問はDAC出力部(正確にはAK4353のLPF出力)のDCカット用の電解コンデンサの容量と耐圧に関してのものです。容量は10uF、耐圧は100Vです。耐圧に関しては平滑用のようにリップルなどを考慮する必要はありませんので6.3V以上あれば問題はありません。ニチコンのMUSEのKZシリーズ(最高グレード品)の場合は10uF品は100V耐圧のものしかありませんので使用することになりました。ELNAのCerafineや三洋のOSコンなどでは20Vや16V耐圧のものがあります。

 容量ですが、4.7uFから33uFくらいの間では周波数特性などは大差ありませんので、ご自分の耳でご判断ください。DCカップリングコンデンサとRCAジャックの間には放電用の27kΩとmuting用のダーリントントランジスタのC-E間(mute-off時はopen)がGNDとの間に入っています。あまり容量が小さいと低域がカットされますが4.7uF以上あれば、電気的には問題はありません。

 電解コンではなくフィルムコンデンサをご使用になるとのことですが、ロール状のものかマイラコンデンサでしょうか? それらの場合は最大容量でも1uFか2.2uF程度ですので並列接続が必要かと思います。30年くらい前には、マイラコンデンサなどの巻上式は高域特性がよくないとかで、シーメンスのポリカーボネイトの積層フィルムコンデンサが輸入され、「音がよい」とかで雑誌などに掲載されている製作記事でブームになったものです。このタイプだと10uF(耐圧50V?)の10mm角の立方体のものがあったように記憶しています。足がすぐ取れてしまって使いにくかったのですが、基板(REX-Link2EXは両面基板ですので空スペースに穴を開けてもOKです)の加工をすれば取り付けられると思います。ただし、今でも生産されているのでしょうか(RoHs対策がとれず、生産終了?)。もし、入手できれば、そちらで実験されることをお薦めします。

 kobaさんは、リチウムイオンバッテリ(11600mAhとのことですが、REX-WHP2に内蔵されているSONY製のLi-ion電池は1150mAhですので、その10倍という大きな電池でしょうか)でも実験されるとのことです。そこで、急遽家電量販店に走って、FUJIFILMから発売されている1.5Vの単三型リチウムイオン電池(充電不可のEnergizer製)を購入、内部抵抗を測定してみました。ところが予想に反して、内部抵抗が2.51?2.8くらいと高めの上に電圧の変動が大きく(パッケージ開封時の無負荷で7.14V、内部抵抗測定後は6.46V)、電池として優秀なのかどうかはわかりません。また、まだ別の現場にいますのでヒアリングテストも行っていません。一般的な充電式のリチウム電池の単位電圧(3.7V)では、REX-Link2EXのRF受信部、DAC部は動作すると思いますが、光デジタルのトランシーバを駆動するためには5Vが必要ですので、光デジタル出力は規定の光度が出せないかも知れません。

 電池は手軽に実験できていろいろ楽しむこともできますが、寿命を気にしていなければならないということやまめに交換しなければならないという問題があります。そこで、写真のような電源を作ってみることにしました。

Dengen1   Dengen2

スイッチングレギュレータの方が省エネで小型化できるのですが、オーディオ用としては旧式のシリーズレギュレータの方がよいように思えますので、昔ながらの定電圧電源を作ってみました。

 シリーズレギュレータの仕組みは、ちょうど大きなダムから川に放流するようなもので、川の水位(電圧)を一定に保つために、川の堤防の高さ一杯まで放流し、水を溢れさせて川の水位(堤防の高さ一杯ですが)を一定に保っているような、荒っぽい方法です。溢れた水に相当する電力は熱となって放散されてしまいますのでエネルギー効率はよくありません。しかし、少しくらい負荷が変動して大きな電流が要求されても放流量さえ確保できていれば平気です。これに対し、スイッチングレギュレータは、常時放流する「掛け流し」ではなく、バケツで1杯づつ、川の水位を保てるようにこまめに補給するという方式です。当然、無駄はなくなりますが急激な大きな負荷が発生すると一時的に水位が下がってしまう可能性があります。REX-Link2EXの場合はパワーアンプではありませんので急激に大きな負荷電流が流れることもありませんが、スイッチングノイズなどの影響を避けるため、シリーズレギュレータ式としました。

 シリーズレギュレータで重要なトランスは写真のようにNuvotemのトロイダルトランスを採用しました。このトランスは医療機器やDACなどのオーディオ機器(有名どころでは Birdland Audio ODEON-AGなど)でも採用されています。トロイダルトランスは特注で作ってもらえますが、木綿の包帯でぐるぐる巻きにされていてあまり格好よくありませんが、このトランスはがっちりとした樹脂製のケースに入っていて標準品が揃っているので人気があるのだと思います。その他は、ACライン用のノイズフィルタ、オーディオ電源平滑用の電解コンデンサなどを使用しています。詳細は次回から…ということで、ご期待ください。

#2  その15 電源について(電池を使った実験-続編)」への2件のコメント

  1. どこにコメントしていいかわからないので取り敢えずここにさせていただきます。光出力からソウルノートのdc1.0というDACにつないで聞いてみたらアナログ出力とは別格の高音質でした。これならメインソースに出来そうです。光ケーブルはoptilink-5という6万するケーブルですが。

  2. FPタイプ電解コンデンサについて教えて頂けないでしょうか?知りたいのはコンデンサに表示している記号(△・□・半円・無印の表示の端子)の意味と極性(記号がついてる端子の外側に4本の端子)です。
    以上、宜しくお願いします。

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