#2  その14 電源について(乾電池を使った実験)

20071101a_2  さて、実際に乾電池を使って「音がどう変化するか」という実験を行った結果についてお話したいと思います。実験に使ったのは、電池ケースとして日本橋(にっぽんばし、大阪)や秋葉原の電子部品屋さんで売られているタカチのMD-4という単三が4本収納できて直列接続できるタイプの電池ボックスです。これに電圧区分2(5V用)のDCプラグをはんだ付けしたモガミ電線の2515という機器内部配線用の無酸素銅の電線で作った電源ケーブルをはんだ付けしました。

20071101b_2  電池は左のように、三洋のeneloop(ニッケル水素電池、1.2Vx4)、SONYのニッケルマンガン電池、Panasonicのオキシライド電池、同じくアルカリ電池、マンガン電池としては懐かしいNationalブランドのNEOハイトップを使用しました。これらの電池を先に作った電池ケースに入れて、4本直列にした場合の内部抵抗(直流抵抗で、交流に対するインピーダンスではありません)は下の表に示すとおりです。

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  やはり、充電式のeneloopが一番低くて0.558Ω、SONYのニッケルマンガン電池やオキシライド乾電池が1Ωを下回る程度、マンガン電池が1.56Ωという結果が出ました。ただし、オーディオアナライザでの測定結果にはほとんど反映されておらず、どれもほとんど変わりませんでした。

 最近はデジカメ用に電池がどんどん改良され、大電流が取り出せてしかも長持ちする(大容量)のものが主流になっています。そのため、昔ながらのマンガン電池は量販店では見かけなくなっています。REX-Link2EXは消費電流がそれほど多くない(60mA)ので、Panasonicのオキシライド乾電池のパッケージの裏のグラフを見ると、その程度の消費電流には適しないというようなことが記載されています。そのため、最初はマンガン電池だけで実験をしようと思いましたが、量販店の店頭などでマンガン電池を見かけなくなってしまっているので、手に入りやすい電池を集めて実験することにしました。

20071101c_3  肝心の音のほうですが、オーディオ評論家ではありませんので、うまく伝えることができないのですが、「いいな」と思った順番は "オキシライド > ニッケルマンガン > アルカリ >  eneloop > マンガン" の順でした。

 スイッチング方式のACアダプタから電池にすると、全体的に「音が静か」というか澄んで来るような感じがします。おとなしくなる傾向とも聴けますので、人によっては、特にiPodなどの音になじんでいる人には、また、楽曲によっては物足りなく感じるかも知れません。eneloopだけは電圧が実測で5.20V(無負荷)と他の4種に比べて低めということが原因かどうかはわかりませんが、音は綺麗なのですが、ちょっと引っ込んだような感じに聴こえます。
 マンガン電池は少し、小さくまとまってしまうような感じでした。ただし、2位のSONYのニッケルマンガン以下4位のマンガン(NEOハイトップ)までの差はそれほど大きくありません。1位のオキシライド乾電池だけは、低音も豊かになり、生き生きとして奥行きも出てきます。理由はまだよくわかりませんが、2位以下とは差があります。
 
 ただし、電池は消耗しますので、数時間すると「音が変わってきて」、どれがどれだったか判らなくなることがあります。ちなみに2時間再生するごとに電池を外して,無負荷の電圧を測定してみると、変化がすくないのはeneloop、アルカリ電池でした。オキシライドやニッケルマンガン電池もそれほど差はありませんが、マンガン電池は消耗が一番大きく、60mAでも苦しいようですが、時計などの微小消費電流の機器用としては有用なようです。REX-Link2EXの場合は、毎日2?3時間使用してもオキシライド単三×4で2週間くらいは持つと思いますが、電源の切り忘れに注意が必要です。

 電池を使用した実験(プリアンプやパワーアンプでは無理ですが)は、AC電源ケーブルなどとは違って、安い費用で、簡単かつ安全に行えますので皆さんも機会があれば試して見てください。Blogに書くととても短いのですが実際に実験は2週間くらいかかりました。まだ、これからも続けるつもりですが、現在実験中のDACキットを電池駆動(単三×4)できるように変更して、皆さんに提供したほうが喜んでいただけるかなとも考えています。ご意見があればどんどんコメントとしてお寄せください。

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