ワイヤレス ヘッドホンをつくる その2 ヘッドホンユニットを探す

 ワイヤレス ヘッドホン用やPC用ということでヘッドホンユニット探しを開始することになりました。
台湾や香港、中国のヘッドホンのOEM供給メーカに打診すると、まず最初に勧められる(売り込まれる)のは、一般的によく見かけるBluetoothタイプのヘッドホンで採用されているようなプラスチックのフレームのユニットでした。よくよく見ると¥980くらいで量販店で販売されているPC用ヘッドホンのユニットやフレームと同じもので、ドライバユニット(スピーカ)のハウジング部にワイヤレスの基板や、電池を収容できるスペースが用意されています。これらを採用すれば、コストもかからず(US$2.00程度)で、金型費用の負担も最小限ですみます。音質ニの次、コスト第一ならこれを採用するしかありません。しかし、ワイヤレス部やDAC+アンプ部、充電式バッテリ、それに送信機のコストなどを考えると、いくらヘッドホンユニットのコストがUS$2.00程度でも、当時のコストでは最終製品の店頭での価格¥15,000?19,800程度がギリギリでした。

 私達自身がヘッドホン購入者の立場に立って考えると、一般的に¥10,000以上のオーディオ用ヘッドホン(有線)を購入する場合は、音質、デザイン、フィット感にこだわります。¥980のPC用として売られているヘッドホンと変わらない音質やフィット感では、いくらワイヤレスでうっとうしいケーブルから解放されると言っても、音楽を聴くためにヘッドホンを¥19,800も出して購入しないと思います。ということになると、オーディオ用の有線ヘッドホンでは中級から高級のランクに相当する価格帯のヘッドホンとしても音質やフィット感でも満足してもらえそうなヘッドホンユニットを探さなければなりません。そうなると。今度はPC用やワイヤレス用ということを告げずに、普通のオーディオ用ヘッドホンをまず探して、それから、これをデジタル ワイヤレス化したいのですが….という話し方をしなければなりません。

 当然、台湾や中国にも既にワイヤレス ヘッドホン(赤外線方式も含めて、主にTV用やDVD用にオーディオ用ヘッドホンっぽい形をしたもの)をOEM商品として持っているメーカもありました。そういうところからも熱心に売り込まれましたが、電池が怪しかったり無線の通信方式が一方通行でワイヤレスLANや電子レンジなどと競合すると手の打ちようがなさそうなものだったり、日本の電波法に触れるので、そのまま使用できないようなものだったり…という現状でした。
しかし、私達は「こだわり」を実現するためにワイヤレス部やDAC+アンプ部を自分達でつくることを決め、完成品は採用しませんでした。

 この「こだわり」を実現するためにした選択は正しかったのです。

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