25周年限定モデル「REX-WHP1PX」発売!

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Posted on 25th 4月 2008 by admin in お知らせ

ラトックシステムは、おかげさまで本年、創業25周年を迎えます。
そこで、日頃のご愛顧に感謝して、「REX-Linkシリーズ3周年記念」で好評を得た高音質ワイヤレスヘッドホンが、さらに進化した「25周年限定モデル」として再び登場しました。

Rexwhp1px REX-WHP1PXは高級ワイヤレスヘッドホンと送信機のセットです。送信機のポートはパソコンにもテレビにも携帯オーディオにも接続できるように、USBとヘッドホンジャックを装備。幅広い用途でお使いいただけます。

既存モデルREX-WHP1PからiPod用パーツを省き、AV機器との接続に便利なオーディオケーブル(約1.5m)を添付して汎用性を向上しました。

先日、発表を行ったところ、前回の3周年記念モデルと同じく、さまざまなメディアから、お問い合わせをいただき、数多くのニュースサイトにもリリースを掲載していただきました。

25周年モデルも数量限定ですので、購入をご希望される方はお急ぎください。

予約受付中! → ラトックダイレクト

#21 Digital Audioの伝送について(S/PDIF編 その1)

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Posted on 24th 4月 2008 by admin in ものつくりの現場から

 前回のI2Sは機器内部でのLSI-LSI間のBusのようなものでしたが、S/PDIFは機器と機器の間でAudio信号を伝送するための信号です。Audio雑誌やAudio関連のHPやBlogなどでも、よく取り上げられていますが、単にコネクタやケーブルの紹介で終わっている記事が多く、私たちのように20年以上も、Digital信号の伝送で苦労してきた(失敗し続けて来た)側からの見解は少ないようです。私たちと同じような経験を持つ人達が、海外でもDigital Audioの伝送についていろいろ研究しているようで、その成果がCDのRipping(Error訂正のRetry付) → Memory → HD → Memory → DMA → Digital Transportation → DAC → Analog という経路を持つ機器として発売されるようになったと思います。
 そのような機器の中で、今年になって発売されたものにLINN KLIMAX DSがあります。この機器にはS/PDIFの入力や出力が排除されていますが、これは「せっかく、Errorなしでマスタレコーディング時のLPCMデータを引っ張ってきたのに、DACに入れる前にS/PDIFでErrorが出てしまったら意味がない」という意思表示だと思います。もちろん、S/PDIFはErrorの発生や「データ化け」が生じにくいよう工夫されており、Error検出機構もあります。しかし、Source Device → Sink Deviceへの一方通行で再送要求やフロー制御のプロトコル(通信手順)はありません。CDの読み出し時にはCIRCという方式で読み出したデータの一部のbitが化けても、「たぶん、この位置のbitが化けたのだろう」と周囲の状況から判断して訂正する機能が働いています。「データが化けて音を悪くしている」とバッシングされているCDの読み出しにもError訂正があり、RippingならRetry(Errorがなくなるまで何度か読み出す)こともできます。しかし、残念ながらS/PDIFにはError検出はあっても、訂正や再送はありません。その場合は、別の通信手段でSink DeviceからSource Deviceに、再送を要求するしかありませんが、トランスポートやDACには実装されていません。したがって、S/PDIFは現状では一方通行、フロー制御、再送なしと理解しておいてください。

 S/PDIFに関する詳しい話に入る前にHDMI Audio SplitterやDigital伝送に関して、以前Tさんからいただいたコメントについて、またechiさんからもコメントをいただいていますので、先に簡単に回答させていただきます。
 実は、HDMIのAudio信号も、S/PDIFのようにFrame(Packet)化された信号が映像信号の合間を縫うような形で、垂直帰線区間(垂直同期信号の前のブランク期間)に伝送されています。垂直帰線区間というのは、まだTVがブラウン管(CRT)を使用していたころの名残で、画面の左上端から走査線が描かれ、右下端に達すると、左上端に戻ります。その戻るX線(走査線)の軌跡が光らないように、その期間は映像信号をOFFにしていました。同様に水平走査線を左端から右端へ1本描いたあと、次の水平同期信号が来るまでに左端に戻らなければなりません。当然、その期間は走査線(帰線)が光らないように映像信号をOFFにする必要があります。こちらの方は水平帰線区間ということになります。

(1)Tさんからのコメントについて。
 Tさんからいただいたコメントの全文は(2008年2月14日 CESで見つけたもの その5)のコメント欄を参照してください。

 ご質問は
  「HDMI-Audioスプリッターのお話に戻りますが、現状は入力信号をPLLにて
   クロックを抽出する形式かと想像していますが(違っていたらすみません)、
   v1.4からオーディオ信号のフロー制御が搭載されるという噂もあるので、
   是非外部クロック入力も搭載していただけたら幸いです。」
 ということでした。
 
 ご指摘のように現状はAudio Info Packetに含まれる情報や、HDMI Source Deviceにより設定されるN値、CTS値をもとにPLLでClock Recovery(クロック抽出)を行い、Audio用のMaster Clockを作成しています。サンプリングクロックFsは本Splitterで使用しているHDMI Receiver(SiI9135A)の場合、Localで28.322MHzの水晶発振子を持っており、それを分周して作成しています。抽出したMCLKにそのサンプリングクロックの位相を合わせて(coherent)、Audio FIFOから受信したAudio Packetを取り出し、S/PDIF出力信号や、8ch.分のI2S出力を作成しています。1920x1080p@60Hz Deep Colorの映像信号の垂直帰線区間では、I2Sは最高でch.あたり192kHzのFsまで対応可能ですが、入力されたオリジナルのLPCM信号をアップサンプリングすることはできません。DSDやDTS-HD、Dolby-TrueHDなどのbit streamに関しては、また別の機会に触れることにします。
 フロー制御はHDMI 1.3aでは規定されていませんので実装していませんが、1.3aではHDMIコネクタのところで映像信号と音声信号のズレ(Lip Sync)が20mS以内というように規定されています。しかし、本機のようなSplitterでは分離した後のAudio信号と映像信号が全く別々に処理されますので、大画面の場合はAudio信号にDigital Delay(Lip Sync)を追加して音声を遅らせないと、音声の方が先に聞こえてしまうという現象が生じます。この機能をSplitterに内蔵させるかどうかは検討中です。

(2)echiさんから頂いたコメントについて。
 echiさんから頂いたコメントの全文は(2007年12月13日 その16)のコメント欄を参照してください。

 ご質問は
 「PCでEEPROM?の内容を変えられるとのことですが
  HDMIの24bit192kHz、7.1chのLPCMを
  フロント2chSPDIF、
  サラウンド2chSPDIF、
  サラウンドバック2chSPDIF、
  センター+サブウーハ2chSPDIF出力
  ということができることを期待しています。
  #もし著作権上SPDIFデジタルoutがマズイということでしたら、DACの前に改造用に
  3線シリアルのパターンをつくっておいていただければ自分でやります」
 ということですが、

 HDMIではAudio Info Packetのデータ部にAudioソースのch.数やSpeakerの配置に関する情報が含まれています。本SplitterではSourecがLPCM5.1ch、7.1chの場合、3または4組のI2S出力にマッピングして出力します。I2Sのままでは前記のように機器外部へ引っ張り出すことは問題がありますので、各2chずつをS/PDIFにまとめて出力するか、Wirelessで飛ばすか、あるいはDACでアナログ変換したものを出力する予定です。悩んでいるのはSub Woofer出力で、市販されているSub Wooferはほとんどがアンプ内蔵でアナログ入力のみに対応しています。したがって、Sub Woofer出力だけはDACを内蔵させて、アナログ固定にしようかとも考えています。また、全体のマスターVRをどうしようかと考えています。S/PDIFやWirelessなどのdigitalで直接出力する場合、Digital Volumeを通過させる必要があります。

 Tさんからのコメントの回答でも述べましたが、アップサンプリングは出来ませんので入力ソースがLPCM24bit192kHzであれば、そのまま出力されます。コンサートなどのライブ録画・録音のBDのように高bit、高fsのLPCMで記録されているものを再生すればOKと思います。
 PS3ではSACDのMulti Ch.のDSDがどのようにLPCMに変換されてHDMIから出力されるかは、まだ調べていませんが、PS3の変換結果に従うことになります。

 Audio出力formatの変換はPCを接続して、コマンドを送れば可能ですが、HDMI Source機器からのオリジナルのAudio formatのbit数拡張やアップサンプリング、圧縮信号のデコードなどはできません。Ch.の再マッピングは可能ですが、アンプやSpeakerの接続をその時その時で変更するわけではありませんので、あまり使用することはないと思います。

 今回も、かなり長文になってしまい申し訳ありません。S/PDIFの詳細な話は次回にさせていただきます。

#20 Digital Audioの伝送について(I2S編)

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Posted on 4th 4月 2008 by admin in ものつくりの現場から

前回から1ヶ月ちかくも空いてしまい、申し訳ありません。前回に続きトランスポートとAudio信号のデジタル伝送について考えてゆくことにします。

CDからの読出し以降、DACに伝えるまでがAudioトランスポートの役割であり、トランスポートと呼ばれる製品では、伝送されるのはアナログ信号ではなくデジタル信号です。Audio信号を伝送するための標準的なデジタル伝送フォーマットはI2Sと呼ばれる方式で、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータの出力フォーマット、D/Aコンバータへの入力信号、Audio処理のDSPの入出力などで、このI2Sフォーマットが標準化されています。SACD(Super Audio CD)や1bit AudioではI2Sの代わりにDSDと呼ばれるフォーマットが使用されていますが、今のところ少数派なのでまずI2Sについて理解しておくべきだと思います。I2Sは下図のようにLRCK(Word Clockと標記される場合もあります)、SCLKまたはBCLK(Bit Clock)、SD(Serial Data)の3本の信号線で構成されています。この他に、DACやDSPによってはMCLK(Master Clock)を必要とする場合があります。
i2s_3
LRCLKは期間中のデータがLeft(Ch.1)かRight(Ch.2)かを示すための信号で、’L’レベルでLeft、’H’レベルでRightを示します。周期はfs(サンプリング周波数)の逆数ですので、CDの場合は約22,6757μSec.となります。SCLK/BCLK(サンプリングクロックまたはbitクロック)はSD信号線のデータをサンプリングしてレベルを判断する基準となるクロックで、アクティブエッジ(Clockの立ち上がり)でSD上の信号レベルをラッチします。SDはAudioのアナログ信号をデジタイズしたデータそのもので、SCLK/BCLKを基準に各ビットの状態(’L’か’H’か)を反映するようにI2Sマスタから送り出されます。CDから読み出したデータはL,Rそれぞれ16bit、サンプリングが44.1kHzですので、前記のように図からLRCLKの周波数が44.1kHzであることがわかります。I2Sは図のようにL,Rそれぞれ32bitに拡張されていますので、CDからの16bitデータは図のb0(LSB)からb15の位置にはめ込まれ、のこりのb16からb23まで’0’がパディングされます。データ部の最初には1bitのガードbit、後部には7bitのパディングbitがあり、最近のAudio用LSIでは、この後部の余っているところにS/PDIFのような情報bitをはめ込むことができるものもあります。
図から、SCLK/BCLKの周波数はfs(サンプリング周波数。CDの場合は44.1kHz)の64倍(Lが32bit、Rが32bit)になります。したがって2.8224MHzとなり、1bitの周期は354.3nSec.となります。SLCK/BCLKがぶれていなければ、だいたいこの真中あたりでSD上の信号がラッチされますので、SCLK/BCLKの立下りから100nS以内くらいにデータが確定していればデータが化けるということはなさそうです。実際にD/Aコンバータを動作させるためにはI2Sの信号以外にMCLK(Master Clock)という、すべての動作の基準となるClockが必要な場合があり、DACによって異なりますが128fsや256fs、512fsなど、fsの128倍や256倍あるいは512倍の周波数が必要です。CD専用ならばfsは44.1kHz 固定でもよいのですが、DVDを再生したり、96kHzや192kHzでサンプリングされた信号を伝送するためにはMCLKもそれらに対応できるような設計にしておく必要があります。データ長(bit数)はI2Sでは元々各Ch.あたり24bit用意されていますので、DACさえ自動判別で対応できれば、CDの16bitであろうが、24bit長のデータであろうが伝送することができます。

I2Sは簡単で、LSIなどに組み込むロジック回路の設計も難しくないことからDAC(Chipレベル)の入力や、ADC(同様にChipレベル)の出力として標準的に採用されています。しかし、図からおわかりのように、伝送エラーに対するチェックが全く存在せず、しかもプロトコル(通信手順)もMasterからSlaveへの一方通行(コンピュータ通信の世界では、”たれ流し方式”と呼んでいます)で、エラー検出時の再送手順やフロー制御など何もありません。しかし、前記のようにLRCLK、SCLK/BCLK、MCLK相互間の同期さえきちんと取っておけば、SCLK/BCLKの立ち上がりでデータをラッチしていますのでClcok信号の波形の揺らぎや崩れなどに強いという特徴があります。元々、LSI?LSI間の信号ですので、これで当たり前ということです。REX-Linkシリーズでは、2.4GHzWireless受信回路の±5ppmという高い精度の水晶発振子を使用した発振回路から分周してMCLKやLRCLK,BCLKを作成し、きちんと同期を取ってDACに送りこんでいます。Audio製品やTVなどの民生用の水晶発振子とはグレードが違いますのでご安心ください。2.4GHzの通信回路では周波数偏差やふらつきが大きいと通信できませんし、TELECにも合格させることができません。また、基板設計時にもノイズが飛び込んで誤動作しないよう、配慮していますのでRF受信部とDACの間、USBインターフェイス部とRF送信部の間でI2S信号が化けるということはありませんので、ご安心ください。

基板上でのDAC-Chipへの信号伝送はI2Sでもよいのですが、機器(トランスポート)と機器(市販の筐体入りのDAC、フルデジタルアンプなど)の間を接続するためには、さすがにI2Sではノイズの影響を受けやすく、しかも信号線も4本と多いのでI2Sとは別の伝送方式が標準化されています。民生用として一般的なのがSONYとPhilippsから提案され、特許料無料で公開されたS/PDIFです。業務用はAES3というバランス方式でCanonコネクタが使用されます。本Blogでは民生用を中心に考えていますのでS/PDIFについて考えてゆくことにします。また、S/PDIFはHDMIのAudio伝送でも使用されていますので、次回はS/PDIFのフォーマットや問題点について検討してゆきたいと思います。あわせてTさんから頂いたコメントに関しても回答してゆきたいと思います。回答がどんどん遅れて申し訳ありません。