#2  その15 電源について(電池を使った実験-続編)

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Posted on 22nd 11月 2007 by admin in ものつくりの現場から

 20日間ほど現場を離れていましたので、更新が遅れ申し訳ありませんでした。その間(11月15日)にkobaさんよりコメントをいただきましたので、回答を兼ねてBlogを続けたいと思います。

 kobaさんの最初のご質問はDAC出力部(正確にはAK4353のLPF出力)のDCカット用の電解コンデンサの容量と耐圧に関してのものです。容量は10uF、耐圧は100Vです。耐圧に関しては平滑用のようにリップルなどを考慮する必要はありませんので6.3V以上あれば問題はありません。ニチコンのMUSEのKZシリーズ(最高グレード品)の場合は10uF品は100V耐圧のものしかありませんので使用することになりました。ELNAのCerafineや三洋のOSコンなどでは20Vや16V耐圧のものがあります。

 容量ですが、4.7uFから33uFくらいの間では周波数特性などは大差ありませんので、ご自分の耳でご判断ください。DCカップリングコンデンサとRCAジャックの間には放電用の27kΩとmuting用のダーリントントランジスタのC-E間(mute-off時はopen)がGNDとの間に入っています。あまり容量が小さいと低域がカットされますが4.7uF以上あれば、電気的には問題はありません。

 電解コンではなくフィルムコンデンサをご使用になるとのことですが、ロール状のものかマイラコンデンサでしょうか? それらの場合は最大容量でも1uFか2.2uF程度ですので並列接続が必要かと思います。30年くらい前には、マイラコンデンサなどの巻上式は高域特性がよくないとかで、シーメンスのポリカーボネイトの積層フィルムコンデンサが輸入され、「音がよい」とかで雑誌などに掲載されている製作記事でブームになったものです。このタイプだと10uF(耐圧50V?)の10mm角の立方体のものがあったように記憶しています。足がすぐ取れてしまって使いにくかったのですが、基板(REX-Link2EXは両面基板ですので空スペースに穴を開けてもOKです)の加工をすれば取り付けられると思います。ただし、今でも生産されているのでしょうか(RoHs対策がとれず、生産終了?)。もし、入手できれば、そちらで実験されることをお薦めします。

 kobaさんは、リチウムイオンバッテリ(11600mAhとのことですが、REX-WHP2に内蔵されているSONY製のLi-ion電池は1150mAhですので、その10倍という大きな電池でしょうか)でも実験されるとのことです。そこで、急遽家電量販店に走って、FUJIFILMから発売されている1.5Vの単三型リチウムイオン電池(充電不可のEnergizer製)を購入、内部抵抗を測定してみました。ところが予想に反して、内部抵抗が2.51?2.8くらいと高めの上に電圧の変動が大きく(パッケージ開封時の無負荷で7.14V、内部抵抗測定後は6.46V)、電池として優秀なのかどうかはわかりません。また、まだ別の現場にいますのでヒアリングテストも行っていません。一般的な充電式のリチウム電池の単位電圧(3.7V)では、REX-Link2EXのRF受信部、DAC部は動作すると思いますが、光デジタルのトランシーバを駆動するためには5Vが必要ですので、光デジタル出力は規定の光度が出せないかも知れません。

 電池は手軽に実験できていろいろ楽しむこともできますが、寿命を気にしていなければならないということやまめに交換しなければならないという問題があります。そこで、写真のような電源を作ってみることにしました。

Dengen1   Dengen2

スイッチングレギュレータの方が省エネで小型化できるのですが、オーディオ用としては旧式のシリーズレギュレータの方がよいように思えますので、昔ながらの定電圧電源を作ってみました。

 シリーズレギュレータの仕組みは、ちょうど大きなダムから川に放流するようなもので、川の水位(電圧)を一定に保つために、川の堤防の高さ一杯まで放流し、水を溢れさせて川の水位(堤防の高さ一杯ですが)を一定に保っているような、荒っぽい方法です。溢れた水に相当する電力は熱となって放散されてしまいますのでエネルギー効率はよくありません。しかし、少しくらい負荷が変動して大きな電流が要求されても放流量さえ確保できていれば平気です。これに対し、スイッチングレギュレータは、常時放流する「掛け流し」ではなく、バケツで1杯づつ、川の水位を保てるようにこまめに補給するという方式です。当然、無駄はなくなりますが急激な大きな負荷が発生すると一時的に水位が下がってしまう可能性があります。REX-Link2EXの場合はパワーアンプではありませんので急激に大きな負荷電流が流れることもありませんが、スイッチングノイズなどの影響を避けるため、シリーズレギュレータ式としました。

 シリーズレギュレータで重要なトランスは写真のようにNuvotemのトロイダルトランスを採用しました。このトランスは医療機器やDACなどのオーディオ機器(有名どころでは Birdland Audio ODEON-AGなど)でも採用されています。トロイダルトランスは特注で作ってもらえますが、木綿の包帯でぐるぐる巻きにされていてあまり格好よくありませんが、このトランスはがっちりとした樹脂製のケースに入っていて標準品が揃っているので人気があるのだと思います。その他は、ACライン用のノイズフィルタ、オーディオ電源平滑用の電解コンデンサなどを使用しています。詳細は次回から…ということで、ご期待ください。

オーディオ銘機賞 受賞

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Posted on 6th 11月 2007 by admin in お知らせ

Rexwhp2 REX-WHP2が『オーディオ銘機賞 2008』で、関連機器部門のオーディオ銘機賞を受賞しましたのでお知らせいたします。

オーディオ銘機賞 2008
音元出版『季刊・オーディオアクセサリー』誌主催の、オーディオ文化の向上と、マーケットの活性化を目指して25年前に創設された賞です。
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この度の受賞について、心より感謝申し上げるとともに、今後も、ラトックシステムはオーディオ分野でみなさまの"心に響く"製品を作っていきたいと思います。

#2  その14 電源について(乾電池を使った実験)

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Posted on 1st 11月 2007 by admin in ものつくりの現場から

20071101a_2  さて、実際に乾電池を使って「音がどう変化するか」という実験を行った結果についてお話したいと思います。実験に使ったのは、電池ケースとして日本橋(にっぽんばし、大阪)や秋葉原の電子部品屋さんで売られているタカチのMD-4という単三が4本収納できて直列接続できるタイプの電池ボックスです。これに電圧区分2(5V用)のDCプラグをはんだ付けしたモガミ電線の2515という機器内部配線用の無酸素銅の電線で作った電源ケーブルをはんだ付けしました。

20071101b_2  電池は左のように、三洋のeneloop(ニッケル水素電池、1.2Vx4)、SONYのニッケルマンガン電池、Panasonicのオキシライド電池、同じくアルカリ電池、マンガン電池としては懐かしいNationalブランドのNEOハイトップを使用しました。これらの電池を先に作った電池ケースに入れて、4本直列にした場合の内部抵抗(直流抵抗で、交流に対するインピーダンスではありません)は下の表に示すとおりです。

Denchi_teikou1_3

  やはり、充電式のeneloopが一番低くて0.558Ω、SONYのニッケルマンガン電池やオキシライド乾電池が1Ωを下回る程度、マンガン電池が1.56Ωという結果が出ました。ただし、オーディオアナライザでの測定結果にはほとんど反映されておらず、どれもほとんど変わりませんでした。

 最近はデジカメ用に電池がどんどん改良され、大電流が取り出せてしかも長持ちする(大容量)のものが主流になっています。そのため、昔ながらのマンガン電池は量販店では見かけなくなっています。REX-Link2EXは消費電流がそれほど多くない(60mA)ので、Panasonicのオキシライド乾電池のパッケージの裏のグラフを見ると、その程度の消費電流には適しないというようなことが記載されています。そのため、最初はマンガン電池だけで実験をしようと思いましたが、量販店の店頭などでマンガン電池を見かけなくなってしまっているので、手に入りやすい電池を集めて実験することにしました。

20071101c_3  肝心の音のほうですが、オーディオ評論家ではありませんので、うまく伝えることができないのですが、「いいな」と思った順番は "オキシライド > ニッケルマンガン > アルカリ >  eneloop > マンガン" の順でした。

 スイッチング方式のACアダプタから電池にすると、全体的に「音が静か」というか澄んで来るような感じがします。おとなしくなる傾向とも聴けますので、人によっては、特にiPodなどの音になじんでいる人には、また、楽曲によっては物足りなく感じるかも知れません。eneloopだけは電圧が実測で5.20V(無負荷)と他の4種に比べて低めということが原因かどうかはわかりませんが、音は綺麗なのですが、ちょっと引っ込んだような感じに聴こえます。
 マンガン電池は少し、小さくまとまってしまうような感じでした。ただし、2位のSONYのニッケルマンガン以下4位のマンガン(NEOハイトップ)までの差はそれほど大きくありません。1位のオキシライド乾電池だけは、低音も豊かになり、生き生きとして奥行きも出てきます。理由はまだよくわかりませんが、2位以下とは差があります。
 
 ただし、電池は消耗しますので、数時間すると「音が変わってきて」、どれがどれだったか判らなくなることがあります。ちなみに2時間再生するごとに電池を外して,無負荷の電圧を測定してみると、変化がすくないのはeneloop、アルカリ電池でした。オキシライドやニッケルマンガン電池もそれほど差はありませんが、マンガン電池は消耗が一番大きく、60mAでも苦しいようですが、時計などの微小消費電流の機器用としては有用なようです。REX-Link2EXの場合は、毎日2?3時間使用してもオキシライド単三×4で2週間くらいは持つと思いますが、電源の切り忘れに注意が必要です。

 電池を使用した実験(プリアンプやパワーアンプでは無理ですが)は、AC電源ケーブルなどとは違って、安い費用で、簡単かつ安全に行えますので皆さんも機会があれば試して見てください。Blogに書くととても短いのですが実際に実験は2週間くらいかかりました。まだ、これからも続けるつもりですが、現在実験中のDACキットを電池駆動(単三×4)できるように変更して、皆さんに提供したほうが喜んでいただけるかなとも考えています。ご意見があればどんどんコメントとしてお寄せください。