#2  その13 電源について

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Posted on 25th 10月 2007 by admin in ものつくりの現場から

4年前にREX-Link1を発売する前から、ACアダプタの種類によって音が変わることは知っていました。トランス内蔵のACアダプタは単に整流出力が出ているだけで、60mA程度の小容量の負荷ではDC+5Vという規格でも+9Vくらい平気で出てきますので、内部の回路を保護するために採用はしませんでした。そこで小型のスイッチングタイプの定電圧出力のもので、安全そうなものを何種類か探し出し、ノイズやリップルが少なく、音に濁りがないものを採用することにしました。

REX-Link2も同じアダプタを採用していますが、今回改めて(AC100Vのコンセントを変更して)、再度何種類かのACアダプタ(DC+5Vの定電圧出力タイプです)を聴き比べてみました。IEEE1394-SCSIコンバータなどに採用しているアダプタなどでは、出力が大きすぎて小電流の負荷ではリップルが多くなるのか、音が刺々しくなったりしました。最終的な結果は、現在REX-Link2や今回のREX-Link2EXにも採用したACアダプタが一番(比較したACアダプタのなかでは)音がよかったということになり、一安心でした。

ACアダプタの次は、電池を電源として使用すると音がどうかわるかということを実験してみることにしました。充電式のリチウムイオン電池は既にREX-Link1Pの送信機やREX-WHP1,WHP2などのヘッドホンで採用済です。しかし、リチウムイオン電池はひとつのセルでは3.7Vしか出ませんので、3.3Vの電源を作成するためにはLDO(低損失電圧出力レギュレータ)というICや回路が必要です。REX-Link1,REX-Link2,REX-Link2EXの内部回路はDC+5V入力ということを前提として設計されているため、リチウムイオン電池で外部から+5Vを供給するためにはDC-DCコンバータによる昇圧回路が必要になります。電池を電源とする目的のひとつは、このようなスイッチング回路を間に入れないで電池そのものの内部抵抗が低いという特徴を引き出すことにありますので、リチウムイオン電池+昇圧回路は実験対象から外しました。電池直結となると乾電池か、ニッケル水素電池を4個直列にして6Vあるいは4.8Vを作り出すことになります。ご存知のように直列にするということは電池の内部抵抗も直列になりますので、電池1個あたりの内部抵抗が低くても、4倍(4個を直列にした場合。正確にはそれぞれの内部抵抗の和)になってしまい、内部抵抗が低いという特徴を活かせなくなってしまいますが仕方がありません。

ずいぶん昔、MCカートリッジ用のヘッドアンプ(0.1mVくらいの出力電圧をMMカートリッジなみの5mVくらいに増幅するアンプです。)を作って、電源に乾電池を使い、乾電池をとっかえひっえしながら「いい音のする乾電池」を探したことがあります。その時の経験では、乾電池がどんどん減ってくると内部抵抗が大きくなって、音が変わってしまって、いつもベストコンディションを保つのが難しかったものでした。

実験には容量(持ち具合)の関係がありますが、扱いやすいので単三電池を使用することにしました。内部抵抗が小さいということでは電極面積が大きな単一電池の方が有利ですが、ニッケル水素電池などでは単三の方が入手しやすいので単三で実験することに決めました。REX-Link2EXの消費電流は最大でも60mAと少ないので、ストロボ用や模型モータ用などの大電流放電タイプ(アルカリ電池など)は特に必要はありませんが、実験では使ってみました。

実験では市販の単三4本用のケース電圧区分2のプラグ付ケーブルを購入して、電池アダプタ作成し、REX-Link2やREX-Link2EXにはいっさい手を加えない状態で行いました。プラグ付ケーブルは後ほど、モガミ電線の無酸素銅の電線でも実験してみる予定です。実験用の電池としては、市販のマンガン電池アルカリ電池、最近話題のオキシライド電池(Panasonic)、ニッケル水素電池(三洋eneloop、4本で4.8VですがREX-Link2EXは問題なく動作します)などを使用しました。

ACアダプタから電池に変えると、また電池の種類を変えると「音が変化」します。どう変化したかを文章で伝えるというのは難しいのですが、測定データではご覧のようにACアダプタと比較してStereo crosstalk特性やノイズ特性が少しですが良くなっています。

◆測定データはこちらで◆
ACアダプタ測定データ
電池測定データ

#2  その12 電線音頭♪♪

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Posted on 23rd 10月 2007 by admin in ものつくりの現場から

 電解コンデンサをとっかえひっかえヒアリングテストを行っている間、合わせて試聴装置のチューニングも行いました。スピーカの配置や台座、スピーカケーブルの交換などはかなり前に行いましたが、アンプ(Luxman SQ-N100)を購入してからは、REX-Linkシリーズの開発研究から、わき道にそれてAC電源ケーブルなどに「はまって」しまいました。私たちはメーカの人間ですから、同じモデルの製品を1万台作っても同じ品質を維持して、どれも同じ音を出さなければなりません。したがって、何らかの理論的裏付がないと同じものを量産することも、できあがったものの品質や音質を保証することはできません。
 「オーディオに関する、特に「音のよさ」に関する議論は、映像のように同時に表示させて比較するというわけには行きませんので、「さっき聴いた音のほうがよかった」という脳内の記憶に頼らざるを得ません。したがって、時に「トンデモ話」や「いわしの頭も信心から…」というような類の説に遭遇することがあります。これからの内容は、理論的裏付やきちんとした説明がまだできない段階にありますが、「音が変化し、聴いている私たちには[よくなった」と感じられた」というレベルでお許しください。30年くらい前、「電線音頭」とい唄や「電線マン」というキャラクターが流行しました。Audio用の電源ケーブルなどにはまってしまうと、電線に踊らされているようで、あっという間に10万円や20万円くらい出て行ってしまいます。それくらいならCDを40枚から100枚くらい買えるではないか…本末転倒ではないかと時折後悔しています。

 いつも試聴に使用しているAC100Vのコンセントは、ビルの屋上の受電設備からコンセント4口ごとに専用ブレーカを介して直接配線されています。当然接地(大地アース)付の3Pで、オーディオマニアのマイトランスと同じような環境にあります。手始めに、早速「逸品館」に駆け込んでAIRBOWAETの電源ケーブルを購入し、パワーアンプのSQ-N100の電源ケーブルを交換してみました。今までの割とおとなしい音が、グッと力強く変わりのびのびと音がでてくるようになったのには驚きました。当然、そうなると「なぜ?」という疑問と、解明したくなる気持ちがむらむらと湧きあがってきますが、それは後回しにして先にREX-Linkシリーズを充実させなければなりません。大型家電量販店のAudio売場に行ってみると、電源ケーブルやプラグ、コンセントなどの部材がいっぱい販売されており、「こういうところでも売られているほど、ブームなのか」とぼんやり眺めていたら、熱心な店員さんが現れ、CSEやFURUTECHというブランドの電源ケーブルを薦められるままに購入してしまいました。25年以上も前に、データ通信用の多芯ケーブルをよく買ってお世話になった秋葉原の総武線のガード下にある小柳出電気の電源ケーブルも陳列されていたのには「時代の変遷?」を感じました。同じ頃、私たちの製品(PC用のGPIBインターフェイス)にバンドルするためにGPIBケーブルをお願いしていたモガミ電線という会社も頑張っておられるようで、この間、久しぶりに小柳出電気を訪れ、REX-Linkの実験用に無酸素銅の機器内配線用電線を購入しました。

 SQ-N100用としてはAETブランドの電源ケーブルが最も私たちには「いい音がする」ように感じられました。もっと「音の変化」に驚いたのはフライングモール製のアンプモジュールです。SQ-N100を購入してからはほとんど使用していなかったのですが、電源ケーブルをAET製に変更すると音が力強くかつ明瞭に出てくるようになり、Volumeコントロールの位置も以前と30度くらいの差があるくらい音がイキイキと出てくるようになりました。以前はVolumeを上げても、どこかパンチがなく頼りなかったのですが、全く変わりました。
トランス出力タイプのアナログアンプに比べて、スッチング電源を使用したD級デジタルアンプの方が、よりAC電源ケーブルの影響が大きいようです。

 …とこのように電源ケーブルに「はまって」ゆくと、今度はその成果をREX-Linkシリーズに反映させたくなってきます。次回からはREX-Link2EXの電源の実験についてお話することにします。

#2  その11 DACまわりの改良(続編)

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Posted on 18th 10月 2007 by admin in ものつくりの現場から

 DACまわりの改良で一番大きく音が変わるのは、DACの出力部のカップリングコンデンサ(DCカット用の電解コンデンサ)を交換した場合です。DC(直流)をカットしてアナログのAudio信号を通過させる働きをするこのコンデンサは、容量次第で低音域が出なくなったりする重要な部品です。オーディオの分野で使用されているコンデンサは真空管アンプではいろんな種類がありましたが、トランジスタアンプでは、全く信号経路にコンデンサを使用しないDCアンプが主流になりましたので、出力部のDCカット用の電解コンデンサのみが残っています。アンプの回路をIC化するには必然ですが、DCアンプで±電源を使用する回路やBTL構成の回路では、このコンデンサはありません。ヘッドホンのREX-WHP2で使用しているWolfsonのDAC、WM8751Lに内蔵されているヘッドホンアンプはこのような回路構成になっているため、出力の電解コンデンサは不要なので使用していません。AK4353の場合は内蔵フィルタやバッファアンプの出力がシングルエンドとなっているため、このDCカット用の電解コンデンサが必要になります。

Comdencer2  この電解コンデンサもDAC同様、「関さば」のようにブランド品がいろいろ出回っています。私たちも写真のように、各ブランド品を集めて、ヒアリングテスト繰り返しました。実はREX-Link2では既にニチコンのUKシリーズというAudio用電解コンデンサをDACの出力部に使用していました。REX-Link2EXの場合、基板スペースに余裕がありますので、表面実装タイプ以外の各社のリード線タイプのAudio用コンデンサが使用できるようにあらかじめ基板を設計しておきました。
 最初の候補は、自作マニアの間で人気のあるBlack Gateという特殊な構造をした電解コンデンサでした。実際に音を出して見ると、評判どおりのメリハリのある音が出てきましたが、残念なことに8月31日で生産販売終了となってしまいましたので、量産には使用できません。そこで、Black Gateは参考用に残して、ニチコンのMUSEシリーズ、ELNAのSilkyシリーズ(無酸素銅、金メッキリード線の特殊品も含め)、日本ケミコンのAudio用、三洋のOSコン(無酸素銅のリード線)などをとっかえひっかえヒアリングテストを行いました。
Comdencer1_2 みんな、評判にたがわず音が少しずつかわりましたが、結果的に、ニチコンのMUSEシリーズの最高グレード品(KZシリーズ)を量産品に採用することに決定しました。私たちの間でもELNAのSilkyシリーズがいいという意見や、他の意見もありましたが、最終的にKZシリーズを採用することにしました。このコンデンサは表面実装タイプではありませんので、交換しようと思えばリフローラインがなくとも簡単に交換できます。したがって、ご購入いただいたユーザの方から、ご指定があればSilikyシリーズOSコンなどに交換して提供することも可能ですが、Black Gateは秋葉原の店頭に在庫があるだけですので、ご要望にはお応えできません。
 各コンデンサの「音の違い」は聴く人それぞれで評価がわかれますので、あえてここでは触れないことにします。私たちの耳には、現時点でMUSE-kzシリーズがいちばんいいと感じられたということです。いずれ機会があれば皆さん方、ご自身でお確かめ頂ければと思います。当然ですが、コンデンサを交換しても先日お見せしたような測定データはほとんど変わりません。でも「データに表れないが、音が変わる」のがAudioの魅力です。まあ、データの取り方が悪いということでもありますが、健康診断の数値程度に考えておいてくださればよいと思います。

#2  その10 DACまわりの改良

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Posted on 16th 10月 2007 by admin in ものつくりの現場から

 いただいたコメントへの回答がちょっと長くなり、データ転送の話になってしまいましたが、受信機にワイヤレスで届いたところまで話がすすみましたので、いよいよDACの話へと進みます。10月11日の記事に関してもMTさんからコメントをいただいていますが、Jitter(bit clockやサンプリングクロックのゆらぎ、ズレ)に関して、USB Audioやワイヤレスでは実際にどうなっているのかということについて、私たちが実際に測定した波形データなどを元に稿を改めて回答方々説明したいと考えていますので、ご期待ください。
 
 REX-Link1ではDACとしてCirrus Logic(Crystal)の製品を使用しましたが、REX-Link2では旭化成エレクトロニクスのAK4353を、ヘッドホンのREX-WHP2ではWolfsonのWM8751Lを採用しました。
 オーディオマニアというより評論家の間ではDACのブランド、モデルについていろんな評判が流れています。
Burr-Brown(TI)製がいいとか、Wolfson製がいいとか、はたまたCirrus Logic製がいいとかいうような評判が流布しています。DACも音をつくる素材のひとつですのでブランドや品種、何を使っているかということが、「音を推測するキーワード」になるようです。これは、ちょうど「関さば」というようなブランドと同じのようなものと私たちは考えています。「関さば」を使って「さばの味噌煮」を作っても、味付けや調理が下手だったら、名人が「ノルウェー産冷凍さば」を使って作った味噌煮より美味しくないかもしれません。
 したがって、私たちはDACに何を使うかより、まず私たちが使いこなす能力を身に付けることが必要だと考えています。Burr-BrownのDACとは創業以来24年間、付き合っていますが、計測制御用のDACばかりと付き合ってきましたのでノイズ対策などの能力はありますが、Audio用の場合はそれに加えて「いい音かどうか聴き分ける」能力が必要になります。これに関しては、修行を積むしかありません。いろんなDACを実験している修行の途中結果は、パソコンを使ってDAC内部のいろんなレジスタを設定しながら「音づくり」を皆さんに楽しんでいただけるDACキットとして近日中に提供を開始する予定ですのでご期待くささい。
Rexlink2_2    Rexlink2ex
 REX-Link2EXでもREX-Link2と同じDAC(旭化成エレクトロニクスのAK4353)を採用しました。AK4353を採用したのは、DACとしての基本性能が24bit/96KHz対応というだけでなく、デジタルボリュームやアナログフィルタなどを内蔵していること、それにS/PDIF出力用のDITも内蔵していることなどが理由です。
もちろんヒアリングテストでも他のDACに比べて劣るということがなかったことも理由の一つです。
REX-Link2からREX-Link2EXへの改良点はDACの電源フィルタの改善と、出力のカップリングコンデンサをオーディオ用表面実装品から、よりグレードの高いリード線タイプに変更したことくらいです。
 REX-Link2ではカーナビなどのCDチェンジャ入力に接続することも考えていましたので、ぎりぎりまで出力レベルを上げるため、DACの電源として5Vを使用しました。そのため、電源のフィルタが簡単なものにせざるを得ず、実質的にはデカップリングとフェライトビーズ(チョークコイル)のみで構成しています。その結果、「ラジオ技術」8月号(2007年)の記事中の実測データでも示されているように、1kHzの両側、特に周波数の高い側に-90dB程度の低レベルですが余計なスペクトルが出ています。最初はスイッチング電源からの漏洩ノイズが混入しているものと考えて、電源として乾電池(1.5Vx4で6V)、ニッケル水素電池(1.2Vx4で4.8V)でも実験しましたが結果は同じでした。DACのアナログ電源には簡単なフィルタを入れてありましたが、GNDパターンも含めて、どこかからまわりこんでいるようです。

 REX-Link2EXでは、最初からオーディオアンプ(プリアンプ)のAUX入力(入力レベル:100?150mV/10kΩ)に接続することを考えていました。そのため、出力レベルが低くなってもかまいませんので、電源電圧を3V前後に落として、電源フィルタを強化することにしました。その結果、余計なスペクトルは消えました。その測定結果を添付しておきますのでご参照ください。

Link2_thd_2   Link2ex_thd_2

 ただし、この余計なスペクトルがなくなって、データがよくなったということが即、音がよくなったとは限らないのがAudioの面白いところです。REX-Link2REX-Link2EXの場合も、これだけで音がよくなった訳ではありませんが、よくなった理由のひとつにはなったのではないかと思っています。

#2  その9 PC+REX-Link2EXの音楽再生について。Wirelessでの転送。

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Posted on 11th 10月 2007 by admin in ものつくりの現場から

USBポート上で伝送されたIsochrounosデータパケットは送信機内のUSBコントローラのエンドポイント(メモリ)内に格納されます。送信機内部のマイクロコントローラはヘッダ情報などを参照して自分がサポートしているフォーマット(2ch.16bit/44.1kHzリニアPCM)であれば、Time-code順にI2S信号に変換しながらDMAでWirelessF部のコントローラに音楽データを引き渡します。Wireless部のコントローラは空きチャンネルを探し、受信機とのLink状態を確認した後、I2Sのデータを2.45GHzの電波に載せて1mS分ずつ送信します。受信機側では受信したデータに誤りを検出した場合や、受信に失敗した場合はエラー情報を送信機側に伝えます。最大2.9msまで再送などを繰り返し、それでも訂正できなかった場合受信機のコントローラは音量ゼロの1mS分のデータを作成します。この音の途切れが続くと前後でブチッという音になります。また、送信機と受信機の間のリンクが3秒間以上途絶えた場合はオーディオ出力をOFFにし、再度リンクを設定しなおしますので、その期間も音が途切れることになります。ただし、Linkが切れた場合は送信機、受信機のLEDが緑色から赤色に変化します。

 受信機側のコントローラは受信バッファメモリ内の音楽データを受信機側で独自に作成した44.1kHzのクロックを元にして、受信メモリから読みだしI2Sに変換してDACに供給します。同時にDIT回路でI2SからS/PDIFのフォーマットに変換して光コネクタから送り出します。DACやDIT、受信コントローラのサンプリングクロックやbit clock,128fsのマスタークロックはすべて受信機内部で10ppm以内の温度偏差特性を持つ水晶発振子で生成されています。その結果、CDから読み出され、HDD上に格納された音楽データは正確に受信機内部で44.1kHzでサンプリングされるため、CDの読出しとDACのサンプリングクロックの間のJitterのように音が揺らぐことはありません。しかし、パソコンによるHDDトランスポート、USBによるAudio転送という方式には、USBのIsochrounos転送の失敗やWireless通信の失敗により、音が途切れる(遅延している間、無音が挿入されるので、前後でブチッという音になります)という問題があります。このあたりはCDの音とびやFM放送を聴いている時に飛び込んでくる雑音と同じように考えて、少しずつ解決してゆけばよいと考えています。今後、パソコンの性能やOS,USB Audio Driverの改良、RF部の改良などにより解決できると思います。

#2 その8 PC+REX-Link2EXの音楽再生について。USBでの転送。

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Posted on 9th 10月 2007 by admin in ものつくりの現場から

 iTunesやMediaPlayerなどのアプリケーションは、指定された曲名のファイルを読出し、ミキサーなどで処理を行った後、USB Audio Driverを呼び出し、USBポートを経由してREX-Linkの送信機に音楽データを引き渡します
USBでの転送はFull Speed(12Mbps)で行われ、Isochronous(アイソクロナス)という方式でPCから送信機に転送されます。USBの転送方式は、キーボードやマウスなどで使用されるインタラプト方式、CDドライブやHDD(ハードディスクドライブ)、USBメモリ、メモリカード、それにiPodなどの携帯オーディオ機器やデジカメとの間の転送で使用されるバルク転送、それにIsochronousの3種類の方式があります。Isochronous方式は定時発車厳守の日本の鉄道みたいな転送方式で、一定時間間隔でデータ転送を実行します。受信側からACK(受信確認)がこなくても、エラー通知が来ても、次のスケジュールが来れば強制的に次のデータを送信します。USBで使用される前に、IEEE1394(i-Link、FireWire)で使用され、DVCAMとの間での映像・音声の送受信などで使われています。SACDのデジタルデータもi-Link経由で、このIsochronous方式で転送されていると思うのですが、まだREX-Linkでは対応しきれていません。1回の転送のデータパケットサイズは1023バイトで、非圧縮のリニアPCMデータでは約5mS分に相当します。
Full Speedの転送サイクル1mSの間に5mS分の音楽データを送ることができるので、その間を利用すれば追いつかれずに、エラー発生時に再送などを行うことも可能です。受信側で処理が遅れたり、受信バッファ(エンドポイント)内のデータパケットの順番が無茶苦茶にならないように、各パケットにはTime-Codeが埋め込まれています。受信側(REX-Link2)の送信機ではTime-Codeを参照しながら、Time-Codeの順番に基づいてこのデータパケットを編成してWirelessコントローラに引き渡します。

リッピングされたHDD上の音楽データはこのような方法でUSBポートから送り出されますので、ミキサー内部でサンプリングレートの変換でも行わない限り、ここでもjitterとは直接関係はありません。しかし、ミキサー経由による音質の変化に問題があると指摘される方もいます。私達の経験では、ここでの一番大きな問題はUSB転送の問題です。例えば、WindowsVista、Core2Duo搭載のVAIOノートPCで、iTunesのCover Flowオプションを使用すると、「ブツ、ブツッ」と雑音が聞こえます。これはCover Floの処理に要する時間が長く、Isochrounous転送の定時運行に音楽データのセットが間に合わないか、定時運行そのものが守れなくなっているということを示しています。この症状はREX-Link2だけでなく、有線で接続した各社のUSB Audio Deviceに共通ですので、アプリケーションおよびOS側に原因があります。MacOS X(10.4.11、intel版)ではUSB-Audioからブツ、ブツ音がするのを修正するためのパッチプログラムが配布されていますが、未確認です。iTunesのCover Flowを使用しなければ、また、同時にCPU占有率が高くなるようなアプリケーションを実行しなければ問題はありませんが、目下のところ、この問題が私達にとっては重大な問題です。また、パソコンのPowerManagementの設定によってはモードが切り替わる際に、Isochrounous転送がうまく行かないで「ブチッ」という音が聞こえることがあります。

私達の経験では、USB上でのIsochrounous転送でデータが壊れるということは、REX-Linkの送信機の場合にはほとんどありません。ただし、パソコンのUSBポートと送信機の間にIsochrounous転送を正しくサポートしていないHUBを入れたり、Isochrounous転送にbugがあるUSBホストアダプタ・ドライバを使用した場合はこの限りではありませんが、旧版のOSなどを使用する場合はUSBドライバの更新を行うべきと思います。

#2 その7 PC+REX-Link2EXの音楽再生について。音楽CDのリッピング。

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Posted on 4th 10月 2007 by admin in ものつくりの現場から

前回の最後でも触れましたが、REX-LinkシリーズではPCをHDDトランスポートとして使用しています。NAXOSNapsterなどの音楽ストリーミングやインターネットラジオを受信している場合は、基本的にメモリ上、場合によってはHDD上のテンポラリバッファを作成しますが、今回はこれらについては触れずに、音楽CDをHDD上にリッピングしてREX-Link経由で再生するという方法について説明しておきます。

REX-Link経由の音楽再生は、まず音楽CDをリッピングしてHDD(USBメモリやメモリカード上でもOKですが)上にファイルを作成するところから始まります。リッピングしてファイルを作成するアプリケーションソフトウェアとしてはiTunesやMediaPlayerなど一般的な製品が使用できますが、前にものべたようにREX-Link2/REX-Link2EXでは非圧縮で16bit/44.1kHzそのままでファイルを作成できるものを選択してください。iTunesならAIFF
MediaPlayer
ならWMAというフォーマットになりますが、リッピング時のエラー訂正機能を持ったものを選択してください。
これらのソフトウェアは音楽CDのトラックを読出し、読み出したデータから計算したCRC値とCDから読み出したCRC値(録音、CDプレス時に作成されたもの)を比較します。一致しなければ、再度CDドライブのヘッドを戻して同じところを読出し、CRC値が一致するまで規定の回数だけリトライを繰り返します。エラーがなければ指定されたフォーマット(AIFFやWMA、MP3など)に変換してHDD上に記録します。MP3などのフォーマットが指定されていれば圧縮作業も平行して行います。このフォーマット変換ではCDのトラックから読み出したプリアンブルからクロックを抽出するというような作業はなく、CD上の音楽データはすべてソフトウェアでデータとして処理されます。したがって、クロックのjitterとは関係はありません。これらの音楽ファイルの形式は録音時の編集作業で使用されるフォーマットと同一ですので、エラー訂正付で非圧縮でリッピングして作成したファイルは、スタジオでの編集後のファイルと基本的には同じものということになります。

REX-Linkの送信機などのUSBオーディオデバイスをUSBポートに接続すると、OS(WindowsやMacOS X)内部のPnPドライバが動作し、USBデバイスからデバイスディスクリプタを読出し、USBオーディオデバイスが接続されたことを検出し、登録してくれます。登録の前に接続されたUSBオーディオデバイスの諸元を読出し、REX-Link2の場合は2ch.16bit/44.1kHzに対応していることをOS内部のドライバに通知してくれます。OS内部にはAudio(Sound)関係のドライバ類があらかじめ組み込まれており、アプリケーションソフトウェア(iTunesMediaPlayerなど)とのインターフェイス(API)を通して利用できるようになっています。WindowsではDirect-Sound、MacOS XではCoreAudioと呼ばれているAPIやドライバの集合がこれらに相当します。この中には音量調整やトーンコントロール、サラウンド処理やミキサー、さらにはサンプリングレートやbit数のコンバータも含まれています。たとえば、DVDをPCで再生した場合REX-Link2REX-WHP2音声を再生することができます。サンプリングレートが44.1kHzにしか対応していないREX-Link2REX-WHP2で、サンプリングレートが48kHzのDVDの音声が正しく再生できるのはOS内部のミキサーがサンプリングレートの変換をソフトウェアで行っているからです。ちなみに、WindowsPCMacで同じCDでも音が違うのは、このミキサーが違うからです。また同じWindowsでもXPVistaでも異なりますので、聴き比べて一番気に入ったものをご使用ください

「ハイエンドショウ トウキョウ2007」で展示.

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Posted on 2nd 10月 2007 by admin in お知らせ

今回は芸術の秋にぴったりのイベントのお知らせです。
暑さ寒さも彼岸までと言う言葉があるように、最近ではこの間までの猛暑が嘘のように和らいで過ごしやすくなってきました。もう秋がやってきます。

秋と言えば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、そして芸術の秋
今週末10月5日から3日間にわたり、東京有楽町で、ハイクオリティな音楽とオーディオの祭典「ハイエンドショウ トウキョウ2007」が開催されます。昨年もミニライヴや合同試聴デモ等で大盛況だったそうです。
実は、このイベントにREX-WHP2もしくはREX-WHP1のデモをしていただけることになりました。
Rexwhp2_2   Rexwhp1u_2

Sawano_image 展示場所は12Fダイヤモンドホール、サイレントルームの音楽ソフト販売ブース。そこで澤野工房のCDの試聴用としてREX-WHPを使用する予定になっています。
この機会に澤野工房の素晴らしいJAZZをREX-WHPで楽しんでみてはいかがでしょうか?

入場無料ですので、ぜひ足を運んで芸術の秋を満喫してください。

◆開催概要◆
タイトル : ハイエンドショウ トウキョウ2007
http://www.hi-endshow.jp/
日時 : 
10月5日(金)13:00?20:30/6日(土)10:00?20:30/7日(日)10:00?18:00
会場 : 東京有楽町 東京交通会館(3Fグリーンルーム、12Fダイヤモンドホール/カトレアサロン)
出店ブース : 12Fダイヤモンドホール サイレントルーム